東京オリンピックと建設業界の闇

社会・政治問題

  

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どーも。TORAです。

 

来年に迫った東京オリンピック!

 

楽しみですねー!!

マリンスポーツの試合なんてテレビで見たことないので絶対見ます!

 

 

さて、東京オリンピックでは電通を始めとし関連企業に莫大な恩恵をもたらしています。

 

その中でも建設業界には特に影響が多いと言われていますね!

東京オリンピックの誘致が決まってからは大手ゼネコンの株価も上がりました。

新国際競技場やその他会場、関連施設の建設が1番の要因です。

 

実際に2018年の夏のボーナスは建設業界が1位になりました!

全業界の平均が92万円に対してなんと!!

 

162万円!!

 

 

すごい額ですね!

 

しかしそんな嬉しいニュースの反面、新国立競技場の建設に携わる大成建設の現場監督の自殺という悲しい出来事もありました。

 

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東京オリンピックで建設業界は本当に儲かっているのか。

東京オリンピックで建設業界の現場はどうなっているのかをデスクワークではありますが建設業に勤めている私が解説します!

 

 

 

①大成建設現場監督の自殺について。

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2017年の3月に新国立競技場の現場監督を務める大成建設の23歳の社員が過労自殺をしました。

3月に「今日は欠勤する」と会社に連絡した後に行方不明となり、4月に長野県で遺体で発見されました。

 

「突然このような形をとってしまい、もうしわけございません。身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした。」

 

と記されたメモも見つかり自殺と判断されました。

23歳、大学を卒業して大成建設に入社1年目の出来事でした。

こんな若さで息子を失った御両親はどれほどの悲しみでしょう…

 

 

大成建設は日本が誇る巨大ゼネコン(総合建設会社)です。

2018年3月期の売上は1兆5854億円にも登ります。

 

日本にはスーパーゼネコンと言われる巨大ゼネコンが5社あり、大成建設はその内の1社です。いずれの企業も単体で1兆円以上の売上があります。

スーパーゼネコンの5社は下記の通りです。

 

・竹中工務店

・鹿島建設

・大成建設

・清水建設

・大林組

 

 

ここまで大手企業に務めるエリートがなぜ自殺に至るまで追い詰められたのでしょうか。

 

それは国が黙認し続けている建設業界の労働環境が招いた悲劇だと私は思います。

 

 

②ゼネコンとは、建設業界の仕組み

ゼネコンとは【総合建設業】です。

総合建設業の説明の前に建設業界の仕組みを説明します。

 

 

Aさんが宝くじで10億円あたったとします。

 

Aさんはこれを元手にテナントビルを保有して家賃収入を得ようとしました。

この場合Aさんが【施主】いわゆるオーナーになります。

 

Aさんはまずビルの設計会社に相談に行きます。

 

A「10億円の予算で建てれるビルを設計してください」

 

設計会社「分かりました!では私の設計費が1億円なので9億円で建つビルを設計します!」

 

設計会社「よし設計できました!ではこれを建ててくれるゼネコンを探しましょう!」

 

設計会社「9億円のビル建てたいゼネコンはいますか?見積持ってきてください!」

 

ここでゼネコンが登場します。

 

ゼネコン「なら9億以下で作ればその分は利益になるな!」

 

ゼネコンA「うちが9億円でやります!」

ゼネコンB「ならうちは8億5000万でやります!」

ゼネコンC「うちは8億円です!」

 

設計会社&施主「ゼネコンCにお願いするよ!」

 

こうしてゼネコンCが今回のビル建設を受注しました。

 

ゼネコンCの利益は【8億円−かかった建設費用】なのでできるだけ安く作りたいわけです。

なので内装業者や外装業者など様々な業者から見積もりをとり安いところに頼んで施工していくわけです。

ある程度の見積もりは設計会社に見積もりを出す段階で集めていたりしますが。大まかにはこんな流れです。

 

つまりゼネコンとはオーナー、設計者から頼まれて建設のトップに立ってまとめる会社です。

 

 

③ゼネコンの仕事、労働環境について

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ゼネコンはトップに立って建設をまとめる会社と上述しました。

これはつまり下請けに任せてゼネコン自体は施工をしないということです。

 

こう書くとまるで下請けに丸投げする楽な仕事に思えるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

ゼネコンはめちゃくちゃ大変です。

 

建設業界はとても細かく分かれています。

壁1つとっても壁のもとになる素材を組む業者、壁の面になるボードを貼る業者、壁紙を貼る業者など多岐に渡ります。

床やら外壁、塗装、窓、棚などの什器もそれぞれ多くの業者が関わります。

更にそれぞれが下請けに出していくので1つの建物を作るのに何十、何百という業者が関わるのです。

 

ゼネコンはそれら全てをまとめて工程を組まなければいけません。

 

もちろんある程度、内装を一括してまとめてくれる業者などに頼むこともありますが中間を挟むとマージンが乗り費用がかさむ上に下請け次数が増えるので変更があった時や緊急対応のレスポンスが下がります。

 

ゼネコンは予算を計算しながら一括業者に頼むか、直接取引するかも考え抜ければなりません。

 

この様な各業者とのやり取り、工程の取りまとめ、現場の管理等ゼネコンの仕事のボリュームはとんでもないです。

 

 

この様な仕事内容でありながら超大型案件以外はゼネコンの社員は各現場に1人が基本です。これが現場所長と言われる立場です。

現場所長の他に数名の現場監督がいる場合もあります。

 

これだけの業務を1人でこなすのです。もちろん交代はありませんし現場に常駐する必要があるため現場が動いている限りは休みなしです。

余裕がある現場は日曜休みだったりするので週に1日休めることもありますが、

私が建設現場を見ている限りほとんどの現場は納期ギリギリの工程で動いています。

職人の人手不足や工程の関係で日曜しか入れない業者もたくさんいます。

私が取引してきた現場監督はほとんど日曜も出勤していました。

つまりゼネコンの現場担当は基本の週7勤務、多くても週1休みです。

 

出勤日数だけでなく、労働時間もとんでもなく長いです。

 

はっきり言って業界全体がどブラックです。

 

1日の流れはこうです。

 

建設現場は8時から朝礼が始まります。

現場監督は当然その前に来て朝礼の準備や当日入る業者の確認、現場によっては初めて現場に入る職人の新規教育を朝礼前にやることもあります。

そうすると7時には現場にいることになるので遠い現場の場合は5時すぎに家を出ることになります。

 

作業時間は8時から17時ですがその間は現場の管理、業者や建材メーカーとの打ち合わせがメインです。

17時過ぎに職人は撤収しますが、ゼネコン社員の事務作業はここからが本番です。

工程の確認や見積もりの確認、各業者の図面や安全書類のチェック、現場で出たトラブルや変更点のまとめと報告、予算が厳しければ設計会社へのコストカットの提案など…

 

トラブルが起きている現場なら24時までかかることもざらです。

 

実際に自殺した23歳の現場監督は6時半から新規教育の為、4時半起床、0時半〜1時帰宅で睡眠時間2、3時間の毎日だったそうです。

 

私の前職もブラックでしたがこれは酷いですね…

 

裁判では会社側は当初、月の残業は80時間以内だったと主張しましたが調査したところ月211時間もの残業時間だったそうです。

 

まだ仕事を勉強中の23歳にさせることではありませんよね。

 

そもそも区画ごとに担当者がいたとはいえ新国立競技場の一部に入社1年目の社員を責任者として配置することに無理があると思います。

 

しかし建設業界ではこれは特別ではありません。

この様な長時間労働、休みなしの連勤が当たり前に行われています。

 

世間が働き方改革に取り組んでいる中で超大手の大成建設でさえこの様な労働環境がまかり通っているのです。

 

難有いことに私は建設業界でもメーカー勤務なので土日休みですしほぼ定時で上がっていますが、建設業界の大多数は劣悪な労働環境で働いています。

 

建設業界も国もそのことを受け止め建設業界の労働環境の見直しをするべきです。

 

 

④東京オリンピックで建設業界は儲かっているのか

東京都が試算した2013年〜2020年の7年間の経済波及効果は建設業界で4700億円に登ると発表されました。

 

2018年大手企業の夏のボーナスは先ほど上述しましたが、冬のボーナスも建設業界がトップでした。

 

全業界の平均が93万円に対しなんと

 

 

159万円!!!

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冬も凄まじい額ですね…

 

夏、冬とボーナス額トップを独走・・・

 

これを見ると建設業界は儲かっていると感じるかもしれません。

 

しかしこれは東証1部上場の従業員500名以上の大手企業のみを対象にしたデータです。

 

建設業では8社を対象にしたと書いてあるのでスーパーゼネコン5社+大手3社です。

 

建設業界の9割以上を占めるスーパーゼネコンの下請けとなる各内装業者、外装業者は調査されていないことになります。

 

建設業界は5次下請け、6次下請けと下請け次数が非常に多いのが特徴です。もちろん下請け次数が下がれば下がるほどマージンが抜かれるので賃金も低くなります。

 

そして重要なのは建設業の9割以上は従業員50人以下の下請け企業や職人ということです。

 

そこで従業員300人以下、資本金3億円未満の中小企業のボーナス平均を見てみましょう。

 

270,691円

 

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しかも前年比−27%の減額です。

 

つまり東京オリンピックの恩恵を受けているのは国から高額受注を受けた大手ゼネコンのみでそれより下の企業にはほとんどお金は回っていないということです。

 

現場で働く職人達、彼らはほとんど1人工(1人あたりの1日の見積額)2万円代前半で働いています。

仮に1人工23000円としましょう。

会社がとる分があるので実際に職人が受け取る額は1日あたり17,000円が良いとこでしょう。

1ヶ月休みなしで30日間働いたとしても51万です。

社会保険完備でない会社や一人親方も多いのでそこからが年金やら所得税やら払うと40万を切るくらいだと思います。

 

これって凄く少なくないですか?

 

若い人ならまだしも人工相場が変わらない限り結構なベテランでもこのくらいの額になります。

 

東京オリンピックで建設業が儲かってるといってもそれはごく僅かの企業だけなのです。

 

 

これが現在の建設業界の実態です。

 

今後悲しい事件を起こさない為にも業界をあげて残業時間の見直しや下請け業者の単価見直しなど、労働環境改善に取組んでほしいです…

 

以上、東京オリンピックと建設業界の実態についてでした。

 

 

 

 

では!

 

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